---Jeong紀行---自然と環境,野生動物,旅行記,写真,カヤック,ダイビング,トレッキング,登山などアウトドア紹介/Jeong's Travelogue,Photo,Kayaking,Diving,Trekking,Backpacking etc.

自動車の買換え<2009>


 2tを越えるSUVを日常の足にすることの罪悪感と、維持費や燃料代といったコスト的な問題もあり、2台保有しているビッグホーンの内、17年保有している古い方のディーゼル車を、燃費の良いコンパクトカーに乗り換えた。
 2009/10/14に公表された、自動車検査登録情報協会”わが国の自動車保有動向”によると、乗用車の新車登録から抹消登録までの平均使用年数は11.68年だという。一般的に、ディーゼル車はガソリン車よりも耐用年数が長く、ラダーフレームと強度の高い足回りを持つクロカン4駆は、通常の使用環境で乗っていれば耐用年数が長くて当然(要修理や塗装はハゲハゲだったが)でだろうから、海外に数年出ていた事も考慮すれば、17年で17万kmならまだまだ乗れる。アフリカなどでは海外なら高値で取引されるだろう。しょっちゅう買取のビラが貼られていたことからも、海外での需要の高さがうかがい知れる。残念ながら、今回は買い替えの補助金25万円と引き換えに、必ずスクラップにしなければならない。
 ディーゼルのビッグホーンにはいろいろと思い入れがあり、手放す事には抵抗があったけれど、黒鉛を吐き出す旧型のディーゼルエンジンは、燃費に優れているとはいえ環境に良くないのは確か。ディーゼル車は軽油を使用しているので、ガソリン車とは単純に比較できないが、一般的に軽油はガソリンよりも価格が安く、ディーゼルエンジンは燃費とCO2排出量がガソリンエンジンに比べて少ない。軽油の価格差については、税制や流通制度の影響であり、北米では軽油の方が高い。欧州についても、日本よりもディーゼル車の普及が進んでいて、軽油とガソリンの価格差は少ない。
 9月はじめに帰国してすぐに、今車を買い換えるべきか、HVやEVの普及を待つべきか、車に乗らないかという、ライフスタイルにもかかわるところからの検討から始めた。買い換えるにしても、ハイブリッドカーが普及し始めた時期と重なり、今後の買い換えスケジュールと車種については、ずいぶんと悩んだ。プリウスは既に年度内に登録できない状況であった為、13年以上の車の買換え補助金25万円は受け取れない。インサイトではコストパフォーマンスの面で魅力が少ない。EVは普及すらしておらず、5年待っても価格的には厳しいだろうと予測している。PHVも、EV同様にバッテリー価格の低下には時間が掛かると見る。しかし、意外に早くEVやPHVの時代はやってきそうである。ガソリン車のビッグホーンの買い換え時は、間違いなくPHVが有力候補になっていると見る。(SUVのEVは厳しいだろう)


(1)候補車種
 パターン1:SUV。2台のビッグホーン(ディーゼル、ガソリン)を、1台のSUVに乗り換える場合、日産エクストレイル20GTは現状唯一の選択肢。今の時点で、クリーンディーゼルは他に選択肢は無い。ガソリンのSUVは、環境性能とコストの面から排除。
 パターン2:プリウス。ハイブリッド専用車として、圧倒的な燃費を誇る。インサイトやハイブリッド専用車でないハイブリッドカーも選択肢になりうるけれど、性能に比べてコストパフォーマンスは悪い。
 パターン3:コンパクトカー。ハイブリッドカーでなくとも、車重が軽くて燃費のいいコンパクトカーであれば、プリウスには及ばないにしても、燃費が良く環境により優しい。この場合、ビッグホーンのガソリン車との併用も想定している。
 パターン4:ビッグホーンのガソリン車のみにして、自転車をフル活用する。今現在、買い物等の近場は全て自転車で用事を済ませているが、特に不自由は感じていない。そもそも車に乗る機会を減らせるので、環境に最も優しい。


(2)エコカー減税と買い換え補助金

 政府のエコカー減税や買換え補助金の制度の利用が前提。35〜45万円前後のメリットがある。買い換え補助金は、今年度という期間と予算が限られていることがネック。今後の政策に関しても、政権交代によって不透明感が増している。残念な事に、プリウスは既に納期が間に合わない為、選択肢から外れてしまった。


(3)車種の絞込み

1)SUV
 クリーンディーゼルは、日産エクストレイル20GTが唯一の選択肢。エクストレイルのガソリン車にアフリカで1ヶ月間乗っていた事があり、なかなか良い車だと分かっていた。2.0Lガソリン車は、減税・補助金込みで200万円〜という魅力的な価格であった為、少々心が動いたけれど、やはり環境性能(4WD2.0L/2.5L,11.6/13.2km/L,176/200g-CO2/km)は高いとは言えず、日常の足としては不適格と判断した。
 20GTは、価格とマニュアル車のみの設定がネックとなった。ガソリン車に比べ50万円以上高い価格設定になっているが、日産にしてみればクリーンディーゼルのコストに見合った価格と考えている様子。開発費や製造コストは高そうではあるけれど、日本の新基準に合わせる触媒やDPFを除けば、ヨーロッパからそのまま持ってきた感のある20GTのMT車は、173PSという過剰な馬力と、15.2km/Lという燃費、172g-CO2/kmというスペックから、エコカーというカテゴリーに入れにくい。150km/h以上の高速で巡航する需要のある欧州とは違い、日本では120kmで巡航できれば十分だし、2.0Lでは下のトルクが細いので、キャンピングカー等何かを引っ張るのには向かないと感じた。となると、このエクストレイル20GTはどういう使い方ができるのだろう。最も違和感を感じたところは、拭き取りで汚れが取れる防水のシートや天井などの内装が、普通の内装になってしまっている。欧州仕様だからだと思うが、これではエクストレイルのコンセプトを完全に殺してしまっている。20GTと他のモデルは、全く違う車だと言っていい。
 とはいえ、実際に乗ってみると、その性能は今までのディーゼル車の域を完全に超えている。振動、騒音はもとより、レスポンスの良いエンジンは2t近い車重を軽々と加速させ、胸のすくような加速感を味わえる。マニュアルも私好みでフィーリングもいい。ビッグホーンに比べたら下のトルクは細いけれど、この進化には驚かされた。でも、女性にはこのMTは厳しい。
 残念なのは、ディーラーや日産に聞いたところ、日産は本気で売る気は無いと感じてしまった事。理由は、車格に見合った価格設定じゃない事が大きい。どんなにいいエンジンでも、車体はモノコックのエクストレイルである。本格的なクロカンではない。確かにアフリカでは、砂漠、泥地、渡河、不整地等々で良い走りをしてくれた。しかし、それなりの運転をしたからであって、決して楽だったとは言えない。ロードクリアランスの不足や、サスのストロークの短さには泣かされた。だから、私の目には20GTは車格に比べて動力性能が高すぎて、環境性能がそれ程高くないという、バランスの悪いマニア向けの車と映ってしまった。確かに乗って楽しい素晴らしい車だけれど、2.5Lガソリン車と大差ないエミッション(2.5Lに比べてCO2は14%低いが、依然としてNOxは3倍程度、少ないとはいえPMも出る)と、15.2km/Lという次世代のエコカーとしては物足りない燃費は、中途半端な存在と感じてしまった。
 もちろん私の主観なので、そう思わない人もたくさんいるだろう。実際、新型プラドの8km/L台という問題外の燃費に比べたら、非常に良い燃費である。これがもし動力性能はそこそこで、新開発の次世代CVTが積まれた環境性能の高い車であったなら、十分検討に値するものであっただろう。値段は従来通りガソリン車+20〜30万円程度。そして燃費は20km/Lに限りなく近づけることができたなら、すごく売れる車になるのではないか。私の様に、マニュアルのディーゼル乗用車に長く乗ってきた人は多くないと思うし、一般的にディーゼルのイメージは良くないのだから、クリーンディーゼルにはかなりのインパクトがないと、乗用車として普及させるのは厳しい。
 その点において先に述べた様に、”日産は本気で売る気は無い”と感じさせるものが随所に見え隠れしているのが残念。ディーラーとお客様相談室の知識と説明不足や、クリーンディーゼルのコンセプトさえきちんと説明できないやる気の無さ。私の様な興味を持って来てくれる稀な客にしかアピールできず、日本で普及させると言う強い意思が感じられない。お客様相談室の説明では、過去のディーゼルとの比較ばかりで、ガソリン車やハイブリッドといったエコカーと競う姿勢のかけらも感じられない。これでは売れないはずで、現に全然売れていない。売り方が下手な日産らしいけれど、いい車だけにもったいない。せめて、トヨタのプリウスの様に初期は赤字覚悟で売っていくくらいの気概があれば、日本でもクリーンディーゼルが認知される可能性はある。
 それでも、エコカー減税+補助金込みで250万〜で買えるとなれば、私の心は非常に動かされた。最後まで悩んだ末、日産ノートに敗れたけれど、今でも試乗したときの感動は忘れられない。是非、日産には頑張って頂き、セールスに繋がる仕様と価格で勝負して欲しい。

2)ハイブリッドカー(HV)

 3代目になって、ようやくプリウスが手ごろな価格と信頼性の高い車に仕上がった。しかしながら、予約殺到で選択肢から外れてしまった。HV普及元年なので、これからが期待できる。このクラスでは、インサイトの様な中途半端なハイブリッドカーは、決してお買い得ではないと思った。
 よって、今後のHVの普及と、その先のプラグインハイブリッド(PHV)を見据え、数年後のビッグホーン・ガソリン車後継として考えたい。HV、PHV、電気自動車(EV)はまだ早いので、普及価格になることを期待している。

3)コンパクトカー
 現時点では、これが最も現実的な選択肢に思える。メーカーの選択肢も広がる。ただ、軽自動車はヴィッツなどコンパクトカーと比べて、値引き後の価格では同等か高いものがほとんど。そもそもの軽の車両本体価格が登録車並、補助金半額で値引きがほとんど無いときては、選択肢に入れようが無い。
 1.0〜1.5Lのコンパクトカーの中で燃費重視で見ていくと、TOYOTAヴィッツ1.0L、HONDAフィット1.3L、NISSANノート1.5L(全てCVT)に絞られた。他にも無いわけではないけれど、セカンドカーで燃費重視、街乗り重視であれば、ヴィッツの1.0Lでも十分で、1.5Lは大きすぎるくらい。何故ノートを加えたかというと、価格が1.3L並で、1.5Lの余裕と、フロントシートを含めてフルフラットになるシートアレンジ、スキーやカヤックに行ける車格が気に入ったから。その分燃費性能は若干劣る。しかし、多人数や重量物を乗せたときの燃費は、1.5Lのノートに分がある。長距離でも十分使え、車内で寝ることもできる。私達の使い方に上手くマッチしている。
 ホンダはすぐに消えた。近くのディーラーは最悪の対応。ちょっと離れたところのディーラーも、これまた嫌な感じ。価格交渉の以前に消えてしまった。そういえば、ホンダに乗っている人との相性もあまり良くない。なんとなく、この先もホンダに乗ることは無い様な気がする。縁が無いのだろう。
 さすがにトヨタのネッツ店は、営業さんらしい良い対応だった。ちゃんと、こちらの使用環境を考慮してくれて、アイドリングストップ機構の仕様をきちんと技術資料を添えて説明してくれたり、しつこくない程度に電話を入れてきたりと、売り方を心得ている感じ。トヨタのラインナップ、標準装備の充実度とオプション価格は、日産には見習って欲しい。ホンダ独自の、融通の利かない押し付け的なオプション構成は問題外。(ホンダが嫌いなわけではない)
 ヴィッツは、充実の装備に比べて価格が安く、何故か不人気なアイドリングストップ機構を付ければ、スペック上は24.5km/Lという燃費。フィットは、ヴィッツが標準で付けているサイドカーテン・エアバッグをオプションで付けると、燃費が2.5km落ちて21.5km/Lになってしまう。というわけで、ヴィッツはエコカー減税と補助金込みで、80万円〜100万円という低価格かつ、22.5〜24.5km/Lという燃費は魅力的である。
 しかしながら、ノートと比べてしまうと狭く、うるさく、非力。完全に近場の街乗り専用と割り切る必要がある。ビッグホーンとの併用が必須。ノートなら、ルーフキャリアーとスタッドレス+チェーンがあれば、スキー、カヤック、ダイビングなど、泊まりで行ってもなんとか使える。動力性能に余裕があり、静粛性は驚くほど高く、カヤックを載せても高速道路をそこそこ走ってくれそうだ。しかも、エコカー減税と補助金込みで100万円〜110万円という、1.5Lとしては驚異的な低価格かつ、20km/Lという燃費は魅力。購入を決めるまで1週間しか掛けなかったが、日産のディーラーは頑張って勉強してくれた。しかし、軽自動車よりも安いとは...
 燃費とCO2排出量に関してはハイブリッドカーに及ばないが、購入費用とガソリン代を含む維持費トータルのライフサイクル・コストを比較したら、まだまだハイブリッドカーはペイせず、コンパクトカーに分がある。ガソリン価格が200円になっても、コンパクトカーのコストパフォーマンス優位は変わらない。
 多少高くても候補に入れたかったプリウスだけれど、残念ながら補助金の関係で断念するしかないし、ハイブリッド機構とバッテリーの製造及び廃棄の環境負荷が明確になっていないのが気になる。ハイブリッド機構には、採掘や製造時に発生するCO2が多いマテリアルが使われており、それら素材レベルの製造時に発生するCO2まで考慮すると、カタログに載っている程にはエコにはならない。そこが難しいところで、基本的には小さくて軽いシンプルな車が、製造から廃棄に至るまでの環境負荷が一番少ない。プリウスの様なエコカーであっても、ライフサイクルのトータルでで見なければ、見掛けだけのエコになってしまう。

3)自転車、公共交通機関を利用
 ベストな選択。今現在実践している。今までの旅の反省から、今年の旅は全て公共交通機関を使った。(それでも、航空機の排出する膨大なCO2は避けられない)そういったライフスタイルに変えていくべきなのだろう。しかし、そこまで踏み切れない...
 そこで、コンパクトカー+自転車という組み合わせが良いと思う。可能であれば、できるだけ公共交通機関も使う。但し、コスト的に見合う限りにおいては。その辺は、セコロジーのセコ重視。
 ビッグホーンは当面一時抹消のまま使わない。使うにしても、ヨットを引っ張るなどかなり限定しての使用になる。


(4)コスト比較


1)ノートの維持費
 自動車税: 34,500円/年
 任意保険: 30,000円/年
 車検   : 6〜10万円(3年目6万円、以後2年毎10万円)
 ガソリン代:100,000円/年(年間1万キロ走行、ガソリン200円/L、10・15モード燃費20km/Lで計算)
 
2)ノートの10年間の維持費

 自動車税 34,500円/年 ×10年 =34.5万円
 任意保険 30,000円/年 ×10年 = 30万円
 車検 3年目6万円+10万円×3回 = 36万円
 ガソリン代 100,000円/年×10年 =100万円

 合計 200.5万円

3)ノートのイニシャルコストを含むライフサイクル・コスト

 新車の支払い総額:105.5万円(エコカー減税、買い換え補助金25万を入れた額)
 10年間の維持費 :200.5万円(オイル交換、エレメント類、タイヤ、修理は考慮せず)

 合計 306万円(年間約30万円)

4)コスト比較

 トヨタ/ヴィッツ 1.0F インテリジェントパッケージ(アイドリングストップ付、燃費24.5km/L)):新車100万円、維持費140万円 = 240万円(ノート−66万円)
 日産/エクストレイル 20GT(クリーンディーゼル、燃費15.2km/L)              :新車250万円、維持費265万円 = 515万円(ノート+209万円)
 (上記新車価格は、エコカー減税、買い換え補助金25万を入れた、値引き交渉後の金額)

 ヴィッツに関しては、ノートに比べて維持費が若干安く、ガソリン代も節約できる。しかし、アイドリングストップ機構の効果は、住む地域によって変わってくる。私の住む地域は田舎なので、都市部ほどの渋滞は無いから、カタログスペックほどの効果は期待できないだろう。アイドリングストップを考慮しなくても、22.5km/Lという燃費なので問題は無いが、非力な分、高速や山道、3人以上乗ったり重量物を載せた場合は、燃費が大きく悪化すると予想される。
 また、いかんせん小さすぎて、併用するビッグホーン・ガソリン車の10年間コスト275万円を加えると、515万円という金額になる。偶然にも、エクストレイル20GTの10年間コストと同じ金額。年額50万円以上ものコストは、あらためて車のコストがいかに高いかを実感させる。数ヶ月海外を旅できる金額は大きい。
 ヴィッツを買うとなると、いっそのことエクストレイル20GT 1台にしてしまいたくなる。しかし、下のトルクが細いMTの20GTを、連れの街乗りにも使わせるのはちょっとしんどい。それに、キャンピング仕様にしているビッグホーンは車内が広く、ATなので運転が楽なので、燃費を除けば良い車。昨今は、環境性能、燃費が一番重要なので、決して自慢できるものではないが、製造と廃棄の環境負荷を考えれば、長く乗ることが悪いとも言えない。
 ノートの10年間コスト306万円は、ビッグホーンの併用を考えず、使い勝手が悪くなるのを我慢さえすれば、年額20万円節約できる。連れが運転するのに適していて、高速を使う遠出も問題ない。浮いた費用は、次のPHVやEVを購入する原資に充てるのも悪くない。10年後には、家庭で200V充電することが一般的になっているかもしれない。

5)環境負荷

 環境負荷については、現在も自動車を使わなければ、計算上は全国平均の約6割のCO2排出量で生活している。実際は、鉄道やバスなど公共交通機関を使用している分のCO2は排出しているけれど、自動車よりもCO2排出量は格段に少ないから、恐らく自動車を使用しないだけで、削減目標の全国平均-25%は達成できている。
 コンパクトカーは、ディーゼルのビッグホーンに比べ燃費が向上し、エミッションが大幅に改善するので、環境家計簿のCO2排出量に大きく貢献するに違いない。しかし、コンパクトカーを使用した場合でも厳しい現実が待っている。実際に乗ってみないと分からないが、仮に我が家の月当たりのCO2排出量480.48kg-CO2(2008年)の5割以上(272.48kg、約57%)を占めていたビッグホーンのCO2排出量から半分になったとしたら、我が家の月当たりのCO2排出量は344.24kg-CO2になり、JCCCA:全国地球温暖化防止活動推進センターより家庭部門の2人家庭(家庭一人当たりの2倍)の月間CO2排出量全国平均350kg-CO2(2006年)と同等になる。一家庭当たりの月間CO2排出量全国平均433kg-CO2と比べると20%低い値になる。
 このことから、コンパクトカーに乗り換えたとしても、家庭部門の二人家庭平均CO2排出量程度にするのが精一杯かもしれない。買い換えた冷蔵庫の削減分17kg-CO2/月を加えても-5%程度にしかならず、更なる削減には、車の使用を極力少なくしたり低燃費運転を心掛ける等の地道な削減努力と、節電やごみ減量等の日常生活の改善、将来的な太陽光発電等の再生可能エネルギーへのシフトが必要だろう。ディーゼルよりも燃費の悪いガソリン車のビッグホーンと、コンパクトカーの併用はかなり厳しい...


(5)購入

 上記を踏まえいくつかの車種を検討した結果、CO2やNOxといったエミッションと燃費の差、私達のライフスタイルを考慮して、日産ノート15X(1.5L,CTV)に行き着いた。ノートは10・15モードで20km/Lの燃費なので、実燃費では1L当たりでビッグホーンの倍の距離を走れそうである。また、減税・補助金込みの総支払い価格が100万円ちょっと(オプションを除けば100万円を切る!)で15Xが購入できたのは、非常に良い買い物だったと思う。もちろん、ビッグホーンより維持費が安く、環境により優しいのは言うまでも無い。
 最大の決め手は、連れが気に入った事。静かで軽快な走りと、人が寝れるシートアレンジ、割り切った仕様と価格のバランスが良い。セコロジーとしてはほぼベストな選択で、エコロジーとしてはベターな選択と思っている。
 クリーンディーゼルも最後まで検討したけれど、残念ながら時期尚早と判断した。


<日産ノートの環境仕様>


 10・15モードの燃費       :20km/L(ヴィッツ24.5km/L、1.0Fアイドリングストップ付)
 10・15モードのCO2排出量  :116g/km(ヴィッツ95g/km、1.0Fアイドリングストップ付)
 10・15モードのCO,NMHC,NOx:1.15/0.013/0.013[g/km]

 実燃費は、使用状況にもよるけれど、6〜7割行けば良いだろう。標準で燃費計が付いているので、省燃費走行を心掛けたい。
 環境家計簿のガソリンのCO2排出係数は2.3[kgーCO2/L]なので、1Lのガソリンが排出するCO2は2.3kgになる。ノートの公称10・15モード燃費とCO2排出量から計算した1L当たりのCO2排出量は、20km/L × 116g/km = 2,320[gーCO2/L] になり、ほぼ環境家計簿のガソリンのCO2排出係数通りの2.3kg/Lになる。環境家計簿では一律に同じCO2排出係数を使用しているので、1L燃焼させた場合のCO2排出量は同じと考えている。
 ちなみに日産エクストレイルの4WD2.0Lガソリン車では、13.2km/L × 176g/km = 2323.2[gーCO2/L]となり、環境家計簿の軽油のCO2排出係数2.3とほぼ同じ同じ数値になる。クリーンディーゼル車では、15.2km/L × 172g/km = 2614.4[gーCO2/L]となり、環境家計簿の軽油のCO2排出係数2.62とほぼ同じ同じ数値になる。


(6)乗ってみた感想と実燃費

<2009/10update>
 購入後1ヶ月弱の実燃費は約13km(燃費計)。ただ、アイドリングや近場だけでの走行なので、11月初旬の連休に長距離のお出かけ後の結果を待ちたい。

 [車に設置したもの]
 純正カーマットは購入せず、フロントはミシュランのラバーマット、リアはビックホーンからの流用のカーマットを使用。
 軽量化の為に、スペアタイヤ撤去。タイヤのリペアキットと、応急スプレー補修剤で対応。(ビッグホーンでは、1度しかパンクを経験していない。日本国内ならロードサービスが充実しているから、重いスペアタイヤを積んで走るのは無駄)
 空いたタイヤスペースに、ほぼ同重量の工具や表示灯、リペアキット、ブースターケーブルなどを積載。
 ビッグホーンから移植したカーナビ、リアビューモニタを設置。(今はあまり見ない4本のダイバーシティアンテナと、でっかいリアカメラがちょっとカッコ悪い)
 バッテリーからの直出しケーブルを車内に引き込み、100V電源用インバーターを設置。
 カヤックや荷物の積載用にルーフキャリアを取り付けた。結構重量があり空気抵抗にもなるから、カヤック等必要なときにのみ設置。
 車中泊用にカーテンを設置し、リアハッチとリアサイドの小窓に断熱目隠しシートを取り付け。
 ビックホーンで使用していたカーセキュリティ機器(無線通報機能付き)と盗難防止用ブレーキロックを設置。(カヤッキングやダイビング、登山など、車を人気の無い場所にオーバーナイトで停める為)

 以上、無駄な重量物を載せたくは無いが、結構な重量がある物を載せてしまったから、自分の体重を減らして燃費を稼ぐしかない。