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エアコン<2008>


(1)消費電力

1)消費電力比較

 現在使用中のエアコン:649kWh/年(1996製造)
 最新機種の消費電力 :417kWh/年
(パナソニックCS-28RKXを想定)

 我が家では、1996年に製造されたエアコンは649kWh/年(しんきゅうさんより)。パナソニックの2009年3月現在の最新2.8kWエアコンは417kWh/年となっている。
 最新の物は、現在のものに比べ約64%の消費電力ということになる。


2)買換えによる削減効果

 年間消費電力の節約効果:現在の冷蔵庫649-最新機種417=232[kWh/年]
 1年間に削減できるCO2 :232×CO2排出係数0.425=98.6kg-CO2
(しんきゅうさんは105kgとある)
 1年間に削減できるコスト:232×22[円/kWh]=5,104円
(しんきゅうさんも同じ)

 実際は、カタログスペック通りにはならないけれど、ここでは上記のカタログスペックを前提に、コストを計算してみた。ちなみに、98.6kg-CO2をカーボンオフセットすると、1kg-CO2=5円で計算して493円

(2)コスト


1)リサイクル

 エアコンのリサイクル料金:2,625円
 廃棄に伴うCO2排出量 :不明

 私は比較的物を長く使用するけれど、省エネを考えの買い替えや、他国への中古家電輸出など、今まで良いとされてきた物を大切に長く使う事や、処理まで考えたリサイクルなど、固定概念に縛られずに検討する必要を感じている。
 現在は、冷蔵庫のリサイクルが家電リサイクル法により義務付けられている。家電リサイクル券センターという、私には天下り財団法人にしか見えない団体のサイトによると、コロナ製の家電製品のリサイクル料金一覧の中のエアコンを見ると、2,625円
(税抜2,500円)
とある。
 温室効果ガスである冷媒のフロンを回収しなければならないから、エアコンは絶対にリサイクルしなければならない。現在、エアコンの様な一部の家電については、リサイクル率が極めて高いので、フロンを使用していない物についても、重金属や有害物質の回収の面で、リサイクルするのが良い。中古家電として海外へ行くルートがあるのかもしれないけれど、送られる国々ではフロンや有害物質をきちんと回収しないであろうから、廃バッテリーなどと同じく、他国に送ることは避けるべきと考える。


2)新規購入

 最新のエアコン購入コスト:約145,000円(パナソニックCS-28RKX、価格.com参照)
 製造時のCO2排出量  :不明

 現在、製造時から廃棄までに排出するCO2の量を、きちんと明示して販売されていない。表示があったとしても、それが正確な値であるかを個人では正確に検証できず、第三者の検証もされていない。よく引き合いに出される太陽光発電パネルは、製造時に大きなエネルギーを消費して、CO2を大量に排出していると聞くけれど、実際のところ正しいのか間違いなのかケースによるのか、それすら未だ判断できずにいる。電力のCO2排出についての様に、算出には数多くの要素が絡み合っているので、何が実際にCO2削減に繋がるのか、検証されて初めて実用に値する為、データが様々出ている現状では、とても判断が難しい。特に、ハイブリッドカーや電気自動車といった、廃バッテリーの処理まで考慮しなければならない事や、太陽光発電の様な高価な投資は、慎重にならざるを得ない。


(3)買い換えるべきか

 結論から言えば、買い換えずに毎年493円払ってカーボンオフセットするのが手っ取り早く、与えられた条件の中では最も明朗な選択。

1)コスト面


 破棄と新規購入のコスト  :147,625円
 1年間に削減できるコスト :5,104円
 コストの回収に要する年数:約29年

2)CO2削減効果

 1年間に削減できるCO2   :98.6kg-CO2
 カーボンオフセットの金額  :493円/年
 廃棄と製造に伴うCO2排出量:不明


3)再生可能エネルギーに転換するか、消費電力を削減するかの選択

 CO2削減効果と費用を比べた場合、お金を払ってカーボンオフセットするのが一番効率がいい。しかし、その安さゆえの危うさを感じずにはいられない。根拠は明示できないけれど、何かが違う気がする。安過ぎるものには落とし穴があると、頭の中で警鐘がなっている。
 廃棄と製造に伴うCO2排出量が明らかにされない限り、消費者は判断できない。計算方法が改定されたとはいえ、実際の消費電力がカタログスペック通りにならないのも事実。心理的に、使えるものを廃棄することに対する抵抗感が未だ払拭できないのは、消費者が必要としているデータが不足している証拠。行政と家電メーカーの怠慢と言っても構わない。消費側が求めていない事が原因でもあるから、メーカーにどしどし問い合わせ、少しでも前向きな対応をするメーカーの商品を購入することが必要。
 結論としては、今は判断できる材料に乏しい為、買い換えずに毎年お金を払ってカーボンオフセットすることに決めた。もちろん、年々家電の効率が向上すれば、カーボンオフセット量は増えていく。そして、製造から廃棄までのライフサイクルが明示され、CO2削減効果が検証された暁には、10数年使用した家電を買換えるのも選択肢になる。