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冷蔵庫 

2009/09/17 UPDATE三菱電機製MR-E45Pへ冷蔵庫買換え。

(1)消費電力

1)消費電力比較

 現在使用中の冷蔵庫:891kWh/年(1997製造、現在の計算方法に換算)
 最新機種の消費電力:470kWh/年

 我が家では、1997年に製造されたシャープ製SJ-WE38Aという、当時は省エネ製品であった380Lの冷蔵庫を使用している。 カタログスペックは、29kWh/月、348kWh/年というもの。同じくシャープの2009年3月現在の最新380L冷蔵庫SJ-KW38RSは、470kWh/年となっている。
 一見、今の機種のほうが消費電力が多い様に見えるけれど、過去2回消費電力の算定方法が見直され、より実態に近い形へと改定されている。現在使用している冷蔵庫を今の基準に換算(シャープに問合せ)すると、891kWh/年という大きな値になる。最新の物は、約半分の消費電力ということになる。


2)買換えによる削減効果

 年間消費電力の節約効果:現在の冷蔵庫891-最新機種470=421[kWh/年]
 1年間に削減できるCO2 :421×CO2排出係数0.425=178.925kg-CO2
 1年間に削減できるコスト:421×22[円/kWh]=9.262円

 実際は、カタログスペック通りにはならないけれど、ここでは上記のカタログスペックを前提に、コストを計算してみた。ちなみに、178.925kg-CO2をカーボンオフセットすると、1kg-CO2=5円で計算して894.625円

(2)コスト


1)リサイクル

 380L冷蔵庫のリサイクル料金:4,830円
 廃棄に伴うCO2排出量    :シャープに問い合わせてみたけれど不明

 私は比較的物を長く使用するけれど、省エネを考えの買い替えや、他国への中古家電輸出など、今まで良いとされてきた物を大切に長く使う事や、処理まで考えたリサイクルなど、固定概念に縛られずに検討する必要を感じている。
 現在は、冷蔵庫のリサイクルが家電リサイクル法により義務付けられている。家電リサイクル券センターという、私には天下り財団法人にしか見えない団体のサイトによると、シャープ製の家電製品のリサイクル料金一覧の中の冷蔵庫を見ると、”大171リットル以上 4,830円(税抜4,600円)”とある。
 温室効果ガスである冷媒のフロンを回収しなければならないから、冷蔵庫は絶対にリサイクルしなければならない。現在、冷蔵庫の様な一部の家電については、リサイクル率が極めて高いので、フロンを使用していない物についても、重金属や有害物質の回収の面で、リサイクルするのが良い。中古家電として海外へ行くルートがあるのかもしれないけれど、送られる国々ではフロンや有害物質をきちんと回収しないであろうから、廃バッテリーなどと同じく、他国に送ることは避けるべきと考える。


2)新規購入

 最新の冷蔵庫購入コスト:約110,000円(シャープ380L冷蔵庫SJ-KW38RS、価格.com参照)
 製造時のCO2排出量  :シャープに問い合わせてみたけれど不明

 現在、製造時から廃棄までに排出するCO2の量を、きちんと明示して販売されていない。表示があったとしても、それが正確な値であるかを個人では正確に検証できず、第三者の検証もされていない。よく引き合いに出される太陽光発電パネルは、製造時に大きなエネルギーを消費して、CO2を大量に排出していると聞くけれど、実際のところ正しいのか間違いなのかケースによるのか、それすら未だ判断できずにいる。電力のCO2排出についての様に、算出には数多くの要素が絡み合っているので、何が実際にCO2削減に繋がるのか、検証されて初めて実用に値する為、データが様々出ている現状では、とても判断が難しい。特に、ハイブリッドカーや電気自動車といった、廃バッテリーの処理まで考慮しなければならない事や、太陽光発電の様な高価な投資は、慎重にならざるを得ない。


(3)買い換えるべきか

 結論から言えば、買い換えずに毎年894.625円払ってカーボンオフセットするのが手っ取り早く、与えられた条件の中では最も明朗な選択。

1)コスト面


 破棄と新規購入のコスト  :114,830円
 1年間に削減できるコスト :9.262円
 コストの回収に要する年数:約12年半

2)CO2削減効果

 1年間に削減できるCO2   :178.925kg-CO2
 カーボンオフセットの金額  :894.625円/年
 廃棄と製造に伴うCO2排出量:シャープに問い合わせてみたけれど不明


3)再生可能エネルギーに転換するか、消費電力を削減するかの選択

 CO2削減効果と費用を比べた場合、お金を払ってカーボンオフセットするのが一番効率がいい。しかし、その安さゆえの危うさを感じずにはいられない。根拠は明示できないけれど、何かが違う気がする。安過ぎるものには落とし穴があると、頭の中で警鐘がなっている。
 廃棄と製造に伴うCO2排出量が明らかにされない限り、消費者は判断できない。計算方法が改定されたとはいえ、実際の消費電力がカタログスペック通りにならないのも事実。心理的に、使えるものを廃棄することに対する抵抗感が未だ払拭できないのは、消費者が必要としているデータが不足している証拠。行政と家電メーカーの怠慢と言っても構わない。消費側が求めていない事が原因でもあるから、メーカーにどしどし問い合わせ、少しでも前向きな対応をするメーカーの商品を購入することが必要。
 結論としては、今は判断できる材料に乏しい為、買い換えずに毎年お金を払ってカーボンオフセットすることに決めた。もちろん、年々家電の効率が向上すれば、カーボンオフセット量は増えていく。そして、製造から廃棄までのライフサイクルが明示され、CO2削減効果が検証された暁には、10数年使用した家電を買換えるのも選択肢になる。


<2009/09/17 UPDATE>
 冷蔵庫を買い替えず、カーボンオフセットで対応すると結論付けたけれど、その後に冷蔵庫が不調になり、冷凍庫が冷えなくなってしまった。上手いタイミングで政府のエコポイント制度が始まり、省エネ家電への買い替えに対して、エコポイントが付与されるとのこと。対象商品が多過ぎるように見え、景気対策の色合いが濃いのは気になるけれど、数ヶ月海外へ行く前のこの時期(5月)に、省エネ性能の高い物に買い替えた。 購入したのは、三菱電機製MR-E45Pという445Lの冷蔵庫。年間消費電力量390kWh/年、年間CO2排出量約169kg。

・省エネ商品買換シミュレーションしんきゅうさんによると
 節約できる消費電力量:374〜470kWh/年(現在891kWh/年)
 節約できる電気代   :\8,228〜10,340/年
 削減できるCO2排出量:169〜213kg-CO2/年

しんきゅうさんでは、現在のものを748〜844kWh/年として計算している。しかし、シャープによると今の基準に換算して891kWh/年ということなので、実際の削減幅はもう少し大きい値になる。
 年間消費電力の節約効果:現在の冷蔵庫891-最新機種390=501[kWh/年]
 1年間に削減できるCO2 :501×CO2排出係数0.425=212.925kg-CO2
 1年間に削減できるコスト:501×22[円/kWh]=11,022円


 十数万円する冷蔵庫で元を取るには、電気代だけ見れば十数年必要になるけれど、CO2削減や機能の充実ぶりを見る限り、一応は満足できる数字ではある。特に、年間212.925kg-CO2ものCO2排出量を削減できるのは嬉しい。今までの半分以下。使い方次第なので、出来る限り省エネになる使い方をしたい。